自嘲する2歳児

自嘲する2歳児


ディテ(嫁)さんが、いろはと太一を連れて近所のスーパーに行ったときのことだ。
「あらぁ、こんにちは!」
「あぁ!こんにちは!」
最近仲良くなったどこかのお母さんに声をかけられたらしい。
が、しかし子どもの名前が思い出せない。
ま、そこはお上手ディテさん。
「お名前なんていうんだっけ?♪」
「ライト!(仮名)」
「すごい♪お名前自分で言えるんだねぇ♪」
さも「本当は知ってたんだけどね」的なニュアンスで確かめたとか確かめなかったとか。
世間話を二言三言かわしスーパーを後にすると、いろはが口を開いた。
「ねぇねぇお母さん」
「なぁに?」
「あの子、なんていうんだっけ?」
「ライトくんだよぉ」
「ふ~ん」
そしてまたしばらくたち車に乗り、
「ねぇねぇお母さん」
「なぁに?」
「あの子、なんて名前だっけ?」
「ら、ライトくんだよぉ」
「ふむ…」
家につき、車を降りようとしたとき、
「ねぇねぇお母さん」
「なぁに?」
もう半笑いのいろは、
「あ、あ、あの子、なんてったっけ?」
「ライトくんだってばぁ」
「ど~も、おぼえられなくって!あへへへ」
この年で自嘲するんだ、と感心しつつ、
この年でも記憶から引っ張り出せないことがあるんだ、なんて思ったりした。