能力者

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職場の後輩と飲んだところ、何がどうなったか第一印象の話になった。
「アフロさんの第一印象は、『こわい…』ですね」
度肝を抜かれた。
半分は「やさしさ」、もう半分は「甘さ」でできている私である。
バファリン以上に服薬しやすいこの私から醸し出された印象が恐怖だったなんて。
「でも、しゃべった瞬間、『あ、なんだ』と思いました。」
「あ、なんだ」ってなんなんだ…というところはツッコまないことにした。こわいのである。
「あ、なんだ。とっても話しやすくて、気さくでやさしくて聡明な方じゃないか。こわさは威厳だったんだなって。」
なんて言われた日には、調子に乗ってしまうではないか。調子に乗ってしまった自分がこわいのだ。

■ 誕生会にて

大きい飲み会で、たまたま主催者の女の子が誕生日だったのでサプライズプレゼントなるものが企画されていた。
「なにこれ!?ありがとう!おもしろ〜い!」
プレゼントの一つに、壁にぶつけて張り付け遊ぶ物体が入っていた。スライムのようなものだったのだが、その子が投げてもうまく張り付かず、すぐはがれ落ちてしまう。
「私の力じゃ無理かしら」
「それじゃ、ここは私が!」
な〜んて手を挙げるのが、調子に乗った私である。
ふりかぶって〜物体をぉ投げた!ストラーイク!
ぴしゃ〜〜〜〜ん!
破裂したのである。壁で。プレゼントが。
そう、破裂したのだ。
どんなコミュニケーションの達人も、その場の私、そして空気を救えなかった。

■ 電車の中で

温厚な女の子が職場にいるが、電車で出くわし、しばらく時間をともにすることがあった。
いじられるのが好きなのか、茶々を入れていると、
「そんなことないですよぉ〜」
とか言いながら笑っているのである。
そこでヤりすぎてしまうのが、調子に乗った私だ。
「そんなことないですよぉ〜
そんなことないですってばぁ〜
ちがいますよぉ〜
ありませんって……


ないって、いってるでしょ…」
二駅ほど無言のまま同席させていただいた次第である。
この空気を救えるのは私ではなかった。私を救えるのも、私ではなかったようだ。

■ 調子に乗らない

仲のいい後輩。太鼓持ちがとても上手で、私などはすぐに調子に乗せられてしまう。
しかしどんな事態が起こるかは想像もできない。
あたたかい雰囲気を一瞬で凍り付かせ、温厚な女の子を瞬時にしてキレさせる私である。
何かの能力者なのではないか?とも思う。
調子には乗らない。
でも、そんな自分が私は大好きなのだが。