紙に神を見るメタルギアソリッド

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◆ メタルギアソリッド

仲間内でハヤったゲームにメタルギアソリッドというものがある。
敵に見つからずに潜入し、これまた見つからないように脱出するというゲームだ。
「俺なら最初から潜入しない」
なんてツッコミながらも楽しく「潜入せざるをえなくなった主人公」に感情移入していくのだった。

◆ 急な出張

急なバトンタッチで、会社の出張に出かけることになる。
うちの会社の人はやさしいので、
「昼、ちゃんと先食べてから行きな」
とか声をかけてくれる。
お言葉に甘えて失礼させてもらったのだが、
「ひえー、こうも香ってくるとさすがに仕事になりませんわ」
今日の業績が落ちたとすれば私のせいである。
すんませーん、食べ終わり職場を笑いながら横切ってトイレに向かていった。

◆ バービーちゃんの声

時間もない。
個室に急いで入るやいなや脱ぐやいなや気張るやいなや…さて、どうしたものか。
ネタではない。
マジである。
そういうことが私には起こるのだ。
何せ今日の占い、おひつじ座は1位である。
トイレットペーパーが切れていた。
芯だけが二本、寒そうにぶら下がっている。
二本…それを裸になるまで使いきった者たちがいる。
いや、私も同罪なのか?
後ろを振り返るも、希望むなしく予備のロールは置いていない。
裸の芯にへばりついた、ほんのわずかなティッシュをも「たのむ、つながったまま剥がれてくれ」と願いつつむいていく。
「人でなし!」
昔こっそり従姉妹のバービーちゃんを裸にヒンむいたときに聞こえた言葉を、芯が言った気がした。

◆ メタルギア的な紙また神

そんな犠牲を払っても拭ききれるわけもない。
やるしかない。
しかしズボンは上げられぬ。
ここは男子トイレ、大丈夫、お前ならやれるよ。
下ろし切ったズボンは足かせとなる。
ほとんど稼動範囲のない足は、私をペンギンのようにしか歩かせない。
キュッキュッキュッキュッ
そして、フルにチンである。
キュッキュッキュッキュッ
私の記憶が正しければ、アフロキャッツ至上初めての快挙だ。
キュッキュッキュッキュッ
感動をかみしめ、一歩一歩を踏みしめる。いつもより3倍踏みしめてたどり着いた洗面台は、なんだろう…聖地?
だって、そこに4ロールも予備が置いてあったんだもん。
2ロールを握りしめ、家路を急ぐ。
キュッキュッキュッキュッキュッ(略)
敵に見つからずにミッションコンプリート。
紙に神を見た1日であった。