体を張ったギャグの弊害

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プルルルル…プルルルル…がちゃ
「はい、○○商事ですが」
「すみません、○○プレスのアフロですが、アフロディテさんはいらっしゃいますか?」
「あ、ちょうど今出ておりまして、10分ぐらいたったらまたかけ直してもらえると嬉しいんですが」
「わかりました」
ブゥゥゥゥゥ…ブゥゥゥゥゥ…
(着信 ディテ)
「はい」
「ちょっと、会社に電話くれたって?」
「すまん、靭帯(じんたい)のばしてもた。うちの会社の人に病院まで連れてきてもらったもんで、迎えに来てもらえないだろうか?」
「はっ!?靭帯!?何やったの?」
「生け垣をジャンプして飛び越えたら、着地地点に具合のいい石ころがあったようで、全体重を右足首にかけたまま、派手に転んだ。
はでにころんだぁ~♪…はぁ…」
「バカ、B’z歌ってる場合か…行くわ」


……
生け垣を飛び越え、グニャとグキッの中間的な音とともに転倒。拷問される主人公のような叫び声をあげた。「断末魔の声」というものは、
「そんな声、出さんやろ」
そう思っていたが、実際出るもんである。死んだと思ったし、あまりの痛さに死なないとも思った。
通りすがりの子どもに助けを求める。
「おじちゃん、ふざけているの?」
「あっ…はぁ…はぁ…だ、会社の人、誰か呼んできて。お兄ちゃんが…倒れてるって」
「おじちゃん、本当に痛いの?ふざけているの?」
「…呼んで…来て。もうぶっとばさないから…」
たったったったったった
「おじちゃんが生け垣の中で寝転がってるよ~~!見に来てあげてぇぇぇ♪」
見せ物ではないのである。復活したら、またぶっ飛ばしてやると心に決めた。
……
なまじ普段からふざけまくっているので発見から救助までワンテンポ遅れた。子どもがいつもみたいに「面白いお兄さん」がふざけていると思ったのも無理はない。私は体を張って子どもたちを笑わせているのである。でも、こんなことがあると少し考えてしまう。
狼少年の気持が少し判った気がした。
アフロ、右足首靭帯損傷中。
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