お盆の傷跡

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 お盆明けの仕事復帰に苦労をしいられている。帰るのに11時間かかったこともさることながら、PAでの一件がかなりの尾をひいている。


 あと20分で到着だぞというところで、ディテ(嫁)さんが「トイレ」と言った。しかたなくよったPAで妙なものを見つけたのだ。それが平行棒。なぜここにあるのか、どうしてよりにもよって平行棒なのか。何もわからぬまま引き寄せられるようにして車を降り、その遊具に近づいた。
 腰の高さほどにある二本の棒を掴んだとき、車に戻ったディテさんが見えた。(しめしめ、目にものを見せてやるわ…)魔が差すとはこのことか。
 ディテさんは、そのときのことをこう語る。
「なんかするとは思ったけど、『うわっすごっ』…『!?』…って感じだったわよ。まったくバッッッカじゃないの?」
 二本の平行棒を手で掴んだまま、その場で逆立ちを…というところで手元が滑り、背中から真っ逆さま。鈍い衝撃音とともに、土煙が舞った。
「『動かない!?』と思って車から飛び出したら、ピクって動いて、サッと立つんだもん。何事もなかったように車に戻ってきても遅いよ。周りの人は、もうアフロが変人って気づいてるから」
 いつもの仕事のペースに復帰できないのは傷のせいだ。肘の傷、腰の打ち身、二の腕の筋肉痛、そして、心の…