暗中模索

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「愛をこめぇてぇはぁなたばを♪」
 どんな名曲も好きな曲も、朝の四時、目覚めの時に聞いてしまうと違って聞こえてしまう。
 良すぎる歌詞がうざく、良すぎるメロディが耳障りだ。
「ふが~!」
 唸りながら、主人の目を覚まし続けようとする携帯電話を探すがなかなか見つからない。手探りに隣をなで回していると、不意にやわらかい何かをつかんだ。
 少し、もんでみる。
「おっぱいか…」
 もう少し、もんでみると、
「ちゃう。二の腕やで、それ。」
 ディテ(嫁)の気だるそうな声とともに、寝返りをうちつつ放ったムチのような裏ビンタが顔面を直撃した。
「大げさだけぇどぉ受けとおってぇ」
 スーパーフライの『愛を込めて花束を』が遠くの方で鳴り続けていた。
 なぜか大好きなその曲は、いつにも増して違って聞こえてくるのであった。