新型インフルエンザの疑い

新型インフルエンザの疑い
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夕方職場で計ると熱があった。
38.1℃…微妙な熱だ。
「もしかしたらインフルエンザかもしれない」
私は日赤に向かった。
「海外に行ったとか、関西方面に行ったとか、ここ最近でありますか?」
「はい、関西…神戸に」
ピクッ。
受け付けのお兄ちゃんに緊張が走る。
「保健所にはいかれましたか?」
「いえ、直接ここに来ました。」
ピクッピクッ
どうやらさらに緊張が走ったようである。
「こちらへどうぞ」
連れて行かれたのは病院の外、プレハブ…のような場所だ。いたるところに消毒液がある。
壁にはものすごい完全防備した看護士さんの写真が、手袋の外し方、ガウンの外し方を説明している。
「こちらのお部屋で、これに記入してください」
プシュー。自動ドアが開く音とともに兄ちゃんはそそくさと出て行った。
どうやら隔離されたらしい。
ワイフに連絡する。
アフロ「ディテさん、俺隔離されたみたい」
ブー…ブー…
バイブの音。
ディテ「日赤?とりあえず行くわ」
しばらくすると、完全防備看護士が入ってきた。
あまりに壁の写真とそっくりなところを見ると、写真から出てきたに違いない。
「神戸にはいつごろ?」
「ゴールデンウィークですから、5月4日・5日ですかね」
「遠いわね…」
2・3質問されてしばらくすると、今度は完全防備医者がきた。
「喉がいたいんですね?熱があると。神戸は5月5日…遠いなぁ。昨日から喉がいたいんですね?朝は体温を?平熱だったんですね?何で計ったんですか?」
何かおかしいなぁと思ったら、医者は問診だけで私に触れようとはしない。
夜ワイフに触れようとして拒絶されるのは結構傷つくのだが、
男に触れられないために傷ついた経験は初めてである。
もしかしたら、私にはそっちのケがあるのか?
しばらく続いた問診の後、部屋のすみに行った看護士と医者がボソボソっと話をした。
お医者「可能性は限りなく薄いね」
看護士「検査して、薬を出すってもんじゃないですか」
お医者「ゴホンっ!じゃあアフロさん、インフルエンザの検査をさせてくださいね。
当たれば、専門の病院に搬送させていただきます。
当たらなければ、お薬を出してお帰りいただくという形でしょうか。」
なんだかギャンブルのようになってきた。
お医者「はい、少し痛いですよ…」
めちゃくちゃ長い綿棒を鼻の右穴にめちゃくちゃ奥までつっこまれる。
私は必死で涙をこらえた。
やっと触れられたと思ったらこれかよ…
快感を感じないところをみると、Mではないようである。
お医者「一応こっちも♪」
語尾に♪がついたように聞こえたのは気のせいか?
左穴の奥を攻められ、ついに私の目から涙がこぼれ落ちた。
看護士「結果が出るのに30分かかりますので、それまでお待ちください」
プシュー。
結果を待っているところ、
ブー…ブー…
バイブ音とともに、ワイフからメールが入った。
ディテ「マスクないと、そっち方面にはいけないんだって。病院の待合室にいるね」
アフロ「おぉ、ジュリエット…会いたいのに会えない苦しさよ」
ブー…ブー…
ディテ「おぉロミオ…どうしてあなたはインフルなの?」
アフロ「まだ決まってないよジュリエット。縁起悪いよ、ジュリエット。」
30分後、完全防備医者が入ってきて、
お医者「ただの風邪ですね。お薬出しときますんで…」
と言い立ち去った。
無事釈放。
出口の扉には
「トリアージ室内のものは、持ち出し禁止」
という貼り紙があった。
私、持ち出されていいんですよね?